『草枕』は明治39年に『新小説』に発表された夏目漱石の中編小説。
冒頭は「山路を登りながらこう考えた。智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。
意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」と有名な文章。

漱石が明治30年に熊本市から天水町まで歩いたことが題材になっています。
今回はその草枕ハイキングコースを途中まで走ってみました。

午前10時藤崎八幡宮集合。25名参加。

コースは藤崎宮→漱石住居→段山→岳林寺→鎌研坂→峠の茶屋→石畳の道→野出の茶屋跡 の往復
28km。4時間半予定。夏目漱石の「草枕」の舞台となった路を走ります。

10時スタート。まずは参道横の夏目漱石が住んでいたという住居を見学。
漱石は熊本にいた5年の間に6回引越ししています。草枕で出てくるのは大江の3番目の住居。
この家は6番目の住居。現在も人が住んでいるようです。

<岳林寺>。草枕ハイキングコースはここから始まります。
終点は天水町の前田家別邸(漱石が泊まった所)。

<鎌研坂>。坂道の途中から右折して山道へ、ここが鎌研坂。
草枕冒頭の一文「山路を登りながら考えた」とある山路がここです。
昔のままの状態、結構きつい坂です。漱石は健脚だったようです。
坂の100m手前に道路をカットする山路があります。それも草枕コースです。

<峠の茶屋公園>の駐車場でエイド。ここまで1時間経過。

<峠の茶屋跡>。階段を上ると当時のままの峠の茶屋があります。
家の中に入れます。

道にはこのような看板が立ててあります。この看板は熊本→天水に行く人のためのもので、
天水から熊本に行くための看板ではありません。

峠の茶屋の裏手に「鳥越の茶屋跡」があります。今は井戸しか残っていません。
漱石もここでひと休みしたのでしょう。

「五六間先から鈴の音がして黒い中から馬子がふうとあらわれた」という場面はこの辺では。

<石畳の道> 鳥越の茶屋から20分走ると「石畳の道」。昔のままの道。
歩いていると漱石の時代にタイムスリップしたような気持ちになります。

<野出(のいで)の峠の茶屋跡> 石畳の道から20分ほど上り坂を駆け上がると到着。
茶屋はもうなく石碑が建ててあります。野出峠とはここのことです。
ここで今回は折り返しましたが、草枕コースはここのうしろから天水に向かっています。

ここから有明海、普賢岳が見えます。右下はいちごマラソンのコースです。
ここまで1時間45分、いつも2時間はかかります。超早い。帰りは1時間30分でした。

野出の峠から先の道を紹介します。山中を走ります。途中、往還道のような石の敷かれた道もあります。

「那古井の里・案内図」:草枕コースの終点は「前田家別邸・漱石館」。
「那古井」とは漱石が作った町の名。実在はしない。

草枕ハイキングコースの道案内の通りに細い山道を走ると10数分で目の前が開けます。
目の前に天水の町並が・・(草枕では那古井の里と書いてある)

<前田家別邸> 草枕のゴールは漱石が泊まった「前田家別邸」。ここが草枕の終点です。
漱石館として当時のままに保存されています。

風呂場跡に湯壷が当時のままに残されています。お湯は左から流れ、左が男湯、右が女湯。そのため女湯はぬるかったとか。
女湯に行くには男湯を通らなければならないそうです。本当?
風呂で主人公と「那美さん」が遭遇する幻想的な場面はここをモデルにしています。

「草枕温泉館」の近くに「草枕交流館」があります。「草枕浪漫」のビデオを15分鑑賞できます。

草枕ハイキングコースは全長15km、ハイキングで5時間、我々は藤崎宮からでも2時間半ぐらいで行けます。
お暇な方は、全てをチェックしながら走ってみてください。


トップに戻る